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湯あがり鉄道健康行き 『ともの湯』 |
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岩崎 久雄 オーナー
イワサキ ヒサオ
HISAO IWASAKI |
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湯あがり鉄道健康行き 『ともの湯』 |
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生年月日:1949年7月10日 |
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出身地:O型 |
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趣味・特技:バレーボール(元実業団選手) |
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よく読む読物:週刊誌 |
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好きなテレビ番組:経済番組、旅行番組 |
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好きな言葉・座右の銘:素直さと謙虚さ |
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好きな場所:自宅 |
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■友の湯のオーナーになったきっかけ、現在に至る経緯をお聞かせください。 |
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元々、私の実家が銭湯を経営していたんですよ。友の湯のこの土地も、親父が人に貸していたものだったんです。私自身、サラリーマン生活をやっていた身でしたが、親父に「お前、いつまでサラリーマンやってんだ!」なんて突然言われてましてね(笑)。ほとんど無理矢理ここを任されたようなものなんです(笑)。昭和58年の11月から引き継いだから、今年で27年(2010年現在)になりますね。
無理矢理とは言ったものの、子供の頃から実家の銭湯を手伝っていたわけですから、抵抗もなくすんなりと「それじゃぁ」と、継いだわけです。
昭和59年に一回目、平成5年に二回目のリニューアルをして、その都度、「友の湯」の柱となるものを取り入れて現在に至ります。 |
■「友の湯」の概要、お客様についてお聞かせください。 |
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お湯の温度は41℃から42℃に設定していまして、お風呂の種類は男湯、女湯ともに同じものを設置しています。マッサージ効果が抜群の打たせ湯に、柔らかい水圧で体をほぐす滝湯、強力なジェット流で患部を刺激し、マッサージしてくれるエアーバス、ゆったりと横になることが出来るリラックスバス、サウナもあれば、サウナのほてりを引き締めるコールドバスもあります。
お客さんの年代は40%ぐらいが65歳以上ですね。友の湯は江戸川区の「健康長寿協力湯」ですから、65歳以上の区民の方は入浴料金通常料金450円のところを、半額の220円で入れるんです。
土日には家族連れも多くなりますが、江戸川区外、遠方から来る人も結構いるんですよ。
常連客の方も多いんですが、テレビの取材申し込みが毎年2、3回あるので、その番組を見てこられる方や、来た方がブログで広めてくれて、さらにそのブログを見た人が来てと、新しく来られる方も結構多いんです。 |
■友の湯の柱の一つ、「軟水風呂」と「軟水」について教えて下さい。 |
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水の中には硬度成分と言って、カルシウムやマグネシウムが含まれているんですよ。うちの銭湯は、その成分のパーセンテージが高かったんです。成分値が高いということは、ボイラー(※燃料を燃焼させ、その熱エネルギーによって水などを水蒸気や温水(=湯)に換える熱源機器のこと)の中で成分が固まってしまって、ボイラーを駄目にしてしまうんですね。うちでは、ざっと3年でボイラーを取り替えないといけない状態だったんですよ。
引き継いでから、ちょうど一年目にお店をリニューアルすることになりましてね。そんな時に、たまたま水関係の業者さんがやってきたので、その人に硬度成分のパーセンテージが高くて、ボイラーが駄目になるという話をしたんです。そうしたら、水の硬度成分を取り除く、軟水装置というものがあるというわけです。それで、それはボイラーにいいから早速取り入れようと、設置しました。
そうしたら、設置した日から銭湯に来られたお客さんに、「お前のとこの湯はツルツルするなぁ」、「なんかヌルヌルするなぁ」と言われたんですよ。恥ずかしながら、私自身が軟水のお風呂になんて入ったことがありませんでした。ですから、そんなことになるなんて知らなくてですね(笑)。お客さんに言われてびっくりして、業者に聞けば「そうですよ」なんて言われちゃうし(笑)、慌てて図書館などで調べて、軟水の成分や特長を勉強したんです。
硬度成分は固まって密着することで汚れの素になり、タイルや鏡が汚くなってしまうんです。ご家庭でも経験があるかもしれませんが、浴室の鏡って汚れるでしょう? あとはシャワーの目詰まりとか。あれも硬度成分の仕業なんですよ。
でも、硬度成分を取り除き、軟水にしたことでタイルも鏡も綺麗になるし、皮膚の新陳代謝や血行も良くなるので、疲れが取れて温まりがいい、湯冷めしにくくなります。軟水には洗浄効果もあるので、肌の荒れやすい方やアトピーの方、赤ちゃんにも安心してお勧めできるんです。石鹸やシャンプーの泡立ちも、軟水は全然違いますよ。肌はつやつや、髪の毛もびっくりされるぐらいサラサラな指どおりになるんです。リンスがいらないぐらいにサラサラだと、皆さんに言われます。これも軟水が、肌に必要な脂分まで取り除かずに汚れを落とす力を持っているからなんですね。
これらがお客さんの口コミで広がっていって、「軟水風呂」と言うのが有名になったんです。
結果論ですが、全国でも銭湯に軟水装置を設置したのは「友の湯」が初めてだったわけで、ボイラーのために設置した軟水装置が、まさに瓢箪から駒、「友の湯」に良い結果を招いたわけです。 |
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■友の湯のもう一つの柱、「鉄道模型」について教えて下さい。 |
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「鉄道模型」を導入したのは平成5年のリニューアルの時です。
一般のご家庭によくあるのはNゲージと言う模型なんですが、友の湯では「HOゲージ」を展示しています。HOゲージは鉄道博物館などで展示されている模型です。普通に市販されているんですが、単価は高く、大きさも大きいので、一般的には収集するのも、置く場所にも困ってしまうものなんです。
私もNゲージで遊んだことがあるんですが、やはり友の湯に置くには、お客さんの目を引くためにも大きいHOゲージを取り入れた方が良いと考えたんです。博物館と同じサイズのHOゲージならボリュームもありますしね。HOゲージには広い場所が必要ですから、家庭では難しいと諦めている方にも、ここにきて楽しんでもらえればいいなと思ったんですよ。それで、鉄道模型のために約9畳分のスペースを取ってしまいました。
あとは金額的にも張る…ので(苦笑)。私もやり始めてから気づいたんですが、HOゲージは金属製で大体一両5万円とか。蒸気機関車も3両(1セット)あるんですが、25万とか(笑)。
元々そこまで鉄道好きだったわけでもなくて、ただ、「お客さんの気を引けたらな」、「楽しんでもらうには何がいいだろう?」なんて考えただけだったのに、気づいたら趣味のレベルじゃなくなっちゃいましたよね。
ジオラマも専門の業者さんに頼んで、本格的にやってしまいました(笑)。ジオラマに約1000万、車両に約1000万かな。動かせば車輪も磨り減りますし、モーターも変えたりしないとですから、これ以外に部品代もかかる。きりがないけど、お客さんが喜んでくれるからねぇ(笑)。 |
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■最後に今後の展望と地域の皆様にメッセージをお願いします。 |
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私が銭湯を始めた頃は東京都の自家風呂保有率は74.5%ぐらいで、四軒に一軒は自家風呂がなかった時代でした。だから銭湯はお客さんを待っていれば良かったんです。
それが今では自家風呂保有率は98から99%ですよ。自家風呂保有率が上がるにつれて、銭湯を必要とするマーケットが狭くなる、そうなると銭湯は特長がなくては来てもらえなくなる。でも、お風呂が必要ないわけではないんですよね。実際、スーパー銭湯などの温泉娯楽施設は人気があるでしょう?だから公衆浴場も来てもらうための工夫をしなくてはと思ったんです。
鉄道模型の人気はまだまだ続いていますが、今後もどう工夫していくか、それは自分自身の課題ですね。
お客さんにも親しみを持ってもらえるように、大事につながりを持ちたいと考えています。それが一番大切かな(笑)。
タオルなどもご用意していますので、皆さん、手ぶらで気軽にお立ち寄り下さい。
私自身がまだまだ勉強中ですが、「友の湯」を応援してくださる皆さんの期待を裏切らないよう、これからも頑張って行きたいと思っています。
※上記記事は2010.8に取材掲載したものです。
個人の主観的な評価や情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。 |
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