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山中 光茂 院長
ヤマナカ ミツシゲ
MITSUSHIGE YAMANAKA |
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しろひげ在宅診療所 |
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出身地:三重県 |
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好きな本:「村上春樹からマンガまで幅広く」 |
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好きな映画:『ショーシャンクの空に』『いまを生きる』 |
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好きなアーティスト:サイモン&ガーファンクル |
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好きな場所:アフリカ |
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■途上国の人達の力になりたいと考え、たどり着いた今 |
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今も将来、アフリカに住むつもりでいるのですけども(笑)、幼い頃から途上国の問題に取り組みたいと思っていました。地球の裏側に住む人の痛み。それに触れながら生きていたいという夢があったんですね。
その夢を叶えるために、当初は外務省に入って研修を受けていたのですけども、外務省の方針に合わず自ら入省を辞退しそこで群馬大学の医学部へ。至極単純に、アフリカに行くためだけに医師になろうと考えたわけです。そのため、当時は感染症や終末期医療に興味が向き、実際に医師になってから、アフリカ各国のスラム地域などで孤児支援や医療支援をおこなってきました。
日本に帰国後、2009年に当時、全国最年少市長として三重県の松阪市長に就任。この時も「いずれは医療の世界に戻る」と決めていて、40歳になる手前で市長を辞任し、医療の世界に戻ってからは在宅医療に取り組み、この度、江戸川区において『しろひげ在宅診療所』の開設にいたりました。 |
■優先されるべきは、医療者の価値観より患者さんの価値観 |
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当診療所では、これまで在宅医療や訪問看護に従事してきたスタッフが専門的な医学的・介護的サポートをおこなっていくとともに、「心に寄り添う」ことを第一におき、患者さんやそのご家族の「幸せな時間を創る」ことを24時間体制で支えています。
ご自宅で亡くなる方の割合は全国で13%程度と言われており、ほとんどの方は病院で亡くなっているというのが実態です。病院で亡くなることは悪いことではありませんが、家で亡くなるという選択肢を選ぶことができること多様性を実現することが、今後の社会では非常に大切なことと考えています。
人の数だけ価値観というのものがあります。これは、アフリカに行っていた時も、市長時代も痛感していたことです。その多様な価値観を前に、医療者の価値観は優先されるべきものではありません。あくまで患者さんの想いを優先する。その人の幸せの価値観を引き出すことに尽力し、医療者として添い遂げることが、これからの在宅医療において重要なことと認識しています。 |
■在宅医療のスペシャリストとして、あらゆることを専門的にサポート |
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在宅医療をよくご存知でない方にとってみれば、病院で受けている医療レベルを在宅では維持できないのではないかと不安をお持ちかもしれませんが、決してそのようなことはありません。私たちは、ベッドサイドで胃ろうの交換もおこないますし、点滴等による栄養管理や呼吸管理、痛みや苦しみを取り除くための麻薬管理、褥瘡管理も日常的におこなっています。こと終末期医療と呼ばれるものに関して、病院でできることで在宅でできないことはないと申し上げてもいいのです。
とはいえ、多くの在宅医療機関においては、いざとなれば、救急搬送という選択肢が先にあるのも事実。医療者としてはそれが1番楽でも、果たしてそれが患者さんの望みに叶うことなのかどうかを自覚しなければならないでしょう。私たちのクリニックでは、可能な限り救急搬送をしたくないケアマネジャーさんやヘルパーさん、看護師たちと連携し、地域で全てを完結できる。患者さんやご家族の心を最後まで責任を持って支えていく医療を私たちは提供していきたいと考えています。 |
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■地域で支える「江戸川しろひげモデル」を創っていきたい |
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入り口からすぐのコミュニケーションルームでは外来診療もおこないますが、基本的には患者さんご本人やご家族にいらしていただき、様々なご相談に乗っています。在宅医療で何をしてもらえるのか、費用面を含めて様々な疑問をお持ちだと思います。そういったことのすべてをこちらでお話ししています。
また、コミュニケーションルームでは、私どもスタッフが患者さんの様々な情報を共有するために常にミィーティングをおこなっています。“私だけ”が知っているのではなく、関わる全てのスタッフが情報を共有し、徹底的に優しく、徹底的に対話をし、最後の最後までとことん関わっていく在宅医療を提供していきたいと考えています。
今後、ここ江戸川区を中心とし、様々な職種が連携し合い、お看取りまで責任を持っておこなう医療モデルの構築を形にしていきたいと考えています。私たちの考えに共鳴し、一緒に関わっていける人たちの輪をここからどんどんと広げていきたいですね。 |
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■これから受診される患者さんへ |
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患者さんやそのご家族だけではなく、一般の方にも在宅医療について理解を深めていただくための講演会なども定期的に開催していく予定です。これからの在宅医療について、一般の方にも周知していくことが大切だと考えております。
親しい人が亡くなられるのは悲しいことに違いはありません。しかし、できることを精一杯成し遂げられた時には、そこに幸せが伴うものなのです。最期の時をみなさんが笑顔で迎えられるよう、私たちが誠心誠意サポートさせていただけたらと思っております。
※上記記事は2018年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。 |
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